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重粒子線治療の治療期間


 がんに冒された臓器を必ずしも切除する必要はありません。がん病巣に重粒子線を照射することにより、早期の肺がんならば場合によっては1日で根治できます。重粒子線治療そのものは患者の負担が軽いので、通院でも充分治療を受けられ-ますが、検査や治療スケジュールをスムーズに実施するため、原則として入院することになっています。

 通常の放射線の場合、30〜40回の照射が必要ですが、(独)放射線医学総合研究所(放医研)における重粒子線の平均照射回数は13回で済んでいます。このように重粒子線ならば非常に短い期間で治療が終ります。たとえば、T期肺がんの場合、臨床試験の始まった頃は6週間に18回でしたが、臨床試験が進むにつれて9回、4回となり、現在は1回で終る治療法が開発されています。

 肝がんについても、最初は15回でしたが、その後12回、8回、4回となり、現在は2日間で2回という治療法の開発が進められています。前立腺がんについては、通常の放射線治療では40回前後の照射が必要ですが、重粒子線ならば20回で治療が終ります。

 現在、放医研で行われている高度先進医療や臨床試験の対象となる部位の照射回数および治療期間は次のとおりです。


No. 対象部位 照射回数 治療期間
頭蓋底・傍頚髄腫瘍 16 4週間
頭頚部腫瘍 16 4週間
非小細胞肺がん
肺野末梢型
肺門・肺門近接型
肺門・縦隔リンパ節転移型


 4
 9
12


1週間
3週間
3週間
肝細胞がん  4 1週間
前立腺がん 20 5週間
骨・軟部腫瘍 16 4週間
直腸がん術後再発 16 4週間
子宮がん 20 5週間
中枢神経腫瘍 20 5週間
10 膵がん
術前
局所進行(切除非適応)


12

2週間
3週間

    参考資料:(独)放射線医学総合研究所パンフレット「重イオン治療プロトコールにおける適応疾患について」
           (肝臓がんは高度先進医療の照射回数と期間を示します。)